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七里ヶ浜の潮風に吹かれながら、一杯のコーヒーに涙が溢れてきた話

七里ガ浜の潮風に吹かれながら、 一杯のコーヒーに涙が溢れてきた話
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こんにちは、奥成大輔(オクナリダイスケ)です。

七里ヶ浜に行ってきました。

目次

なぜ七里ヶ浜に行ったのか?

七里ヶ浜は、ぼくが高校時代を過ごした思い出の地。

なぜかその高校は、七里ガ浜高校と書いて「が」の表記が地名とは異なっているけれど、理由はいまだに不明です。

教室から海を望む七里ガ浜高校
教室から海を望む七里ガ浜高校

さて、そんな余談はさておき、なぜいまさら七里ヶ浜に行ったのか?

高校時代が楽しかったから?
学校があるから?
景色がきれいだから?
仲間との思い出があるから?
切ない失恋の思い出があるから?

もちろん、そういう大切な思い出や理由もあるとは思うのですが、どうもそれだけじゃなかったんです。

そして、一杯のコーヒーの香りを味わいながら飲んだ瞬間、フラッシュバックするかのようにすべてがつながりました。

自分の思考が悪いことを引き寄せてしまったのではないか…

ことの発端は、ぼくの母が入院して手術をすることになり、神奈川の実家に一時的に滞在することになったことに起因します。

そんなことはないはずなのですが、

「自分の思考が母の病気を引き寄せてしまったのではないか…」

と気にしていたとき、一緒に働くチームの仲間からslackで、

「神奈川県って海の近くのオシャレカフェとかたくさんありそう!」

という一言に励まされ、母が入院し手術を翌日に控えた日の朝、朝食を食べに七里ヶ浜に出かけることにしたのです。

朝食を食べに江ノ電で七里ヶ浜へ

6月末ということもあり、ぼくらの講座の開講に伴って対応しないといけない仕事を終えて、急いで駅まで歩きました。

早足で歩いたので汗だくになりながら電車に乗り、藤沢駅で江ノ電に乗り換えます。

平日なんてガラガラだろうと思っていたら観光客は結構多く「パンデミックへの不安が徐々に減ってきているのだな」と思いながら、住宅の隙間を縫うように走る江ノ電に揺られていました。

腰越から鎌倉高校前へと向かう左カーブを曲がると視界には、海がパーッと開けます。

通学中に毎日違う顔色を見せていた海を懐かしく思い出しながら、遠くが少し霞み、静かな波の初夏の海を見て、自分の顔がほころんでいることに気づきます。

江ノ電 七里ヶ浜駅
江ノ電 七里ヶ浜駅

最高のロケーションのテラス席で朝食を

懐かしい七里ヶ浜駅は、あれから36年経ったいまも変わらず昔とほぼ変わらない七里ヶ浜駅でした。

駅の階段を下り、行合川のかわいい橋をわたって海岸線の国道134号線へ。国道の交差点を右へ曲がったところにある建物の階段を上り、昔Facebookで一度行ってみたいと思っていたbillsというお店に向かいました。

一人で行ったにもかかわらず、最高のロケーションが眼下に広がる、一番端の静かなテラス席に案内してくれます。

billsのテラスからの眺め
billsのテラスからの眺め

注文がすべてQRコードでアクセスできる専用サイトからというのにびっくりしましたが、ダイエット中のぼくが選んだのは、フレッシュオージーブレックファースト。

サーモン、アボカド、半熟玉子、ほうれん草、ミニトマトとパクチー、半切りのレモンのプレートです。

billsのフレッシュオージーブレックファースト
billsのフレッシュオージーブレックファースト

潮風に吹かれながらコーヒーを飲んで思い出した昔の夢

フレッシュオージーブレックファーストを食べ終え、食後のコーヒーに「ロングブラック」というドリップコーヒーを注文しました。

エスプレッソもありましたが、ぼくはドリップのコーヒーが好きです。

billsのロングブラックコーヒー
billsのロングブラックコーヒー

これまであまり深く考えたことはなかったのですが、ドリップコーヒーといえば高校時代に毎日のお昼休みや放課後に通った七里ヶ浜の海沿いにあった喫茶店のコーヒーがドリップコーヒーでした。

billsのロングブラックに鼻を近づけると、深くまろやかな香りです。

そして一口飲んだ瞬間です。36年前にタイムスリップしたかのような錯覚が起きます。

かけがえのない、潮の香りとコーヒーの香りの混ざった最高の味わいです。

懐かしさに涙が溢れてきました。

高校時代に通ったお店で飲んだコーヒーは、いつも潮風と一緒にいただいていたんですね。

そして昔の自分の夢を思い出します。

「一階はバイク屋で二階はカフェ」

バイクのレースで活躍してもしなくても、引退したら海沿いの地にこんなお店を持ちたいと思っていたのです。

マスターはぼくの憧れの大人

そんな夢を描いたのも高校時代に毎日通っていた、かつて七里ヶ浜にあった喫茶店のマスターの影響です。

マスターはみんなに親しまれていて、お店にはいつも知り合いの人たちが訪ねて来ていました。温かくて誰にでも優しい、そんなマスターはぼくの憧れの大人でした。

「いまの仕事でお金を貯めて、やりたいことをやるんだ」

と話してくれたマスター。

ぼくがバイクのレースの資金が欲しくて高校を卒業したら就職したいと思ったのもそんなマスターの生き方を聞いていたからかもしれません。

ひとりで遊びにいくと若い頃のやんちゃな話やバイクの話を楽しそうにしてくれて、バイクに夢中だったぼくには楽しい時間でした。

マスターがスズキのアメリカンバイクを新車で買ったときには、まだ慣らし運転中なのに、

「おくさん、乗ってきていいよ!」

と鍵を渡され、乗せてもらいました。マスターにちょっと認めてもられたような気がして誇らしかったことを思い出します。

授業をサボったとき、お昼休み、学校が休みの日も、勉強そっちのけで時間さえあればマスターのお店に通ったものです。

七里ヶ浜海岸駐車場から江ノ島を望む
七里ヶ浜海岸駐車場から江ノ島を望む

溶けはじめた両親へのわだかまり

学校にこそ馴染みませんでしたが、ぼくの高校時代は楽しい思い出ばかりが残っています。

でも実際には、都合の悪い記憶はすべてどこかに忘れているだけで、母には迷惑ばかり掛けていたはずです。

七里ヶ浜から誰もいない実家に戻り、入院中の母にこんなメールを送りました。

普段は「了解しました」というシンプルなメールの返信が多い母ですが、病院から電話をかけてきてくれた声を聞き、ぼくの両親へのわだかまりが溶けはじめていることに気づきました。

ぼくのやりたいことリストに追加した将来の目標

「神奈川県って海の近くのオシャレカフェとかたくさんありそう!」という一文を送ってくれたチームの仲間には感謝しかありません。

その一言をきっかけに、一人で七里ガ浜に出かけることができました。

帰ってから一緒に仕事をするチームのslackで「海の近くのオシャレカフェ」に行った報告をしました。

みんなのお返事を読みながら、こんなことを思いつきます。

近い将来、ぼくの母校の隣りにある、鎌倉プリンスホテルにみんなで集まって、日ごろの感謝を込めてミーティングを兼ねたお食事会ができたら素敵なことだろうな…

翌日は自由行動。鎌倉が大好きなら寺社仏閣を散策するも良し、ロードバイクで海岸線を走るも良し、部屋でゲームもOK、おしゃれなカフェやレストランもある…

足がつかない海の中が恐い子どもたちが一緒なら、ぼくが陸で一緒に砂遊びをしているので、サーフィンをしたい人はサーフィンにいっても大丈夫…

そんな将来の目標を1つ、ぼくのやりたいことリストに追加した大切な1日になりました。

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この記事を書いた人

穏やか暮らし研究所代表。2020年まで10年間もしも大学公認講師として活動。もしもドロップシッピング10周年記念イベント公認講師部門で表彰。

1968年生まれ、神奈川県藤沢市出身。現在は栃木県那須烏山市在住。大学卒業後(株)本田技術研究所に入社。ライフスタイルの見直しをきっかけに2008年に退社し独立。退職後、まったく畑違いなWeb関連の事業をはじめて現在に至る。

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